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社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた【実践編】
【第3回】 2012年11月6日
著者・コラム紹介バックナンバー
小暮真久 [TABLE FOR TWO International 代表理事]

「いろはす」は
なぜ一気にシェアを拡大できたのか?
商品設計に組み込まれた2つのインパクト
Winの累乗をつくる5つのC(2)Customer

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社会貢献とビジネスを両立させるしくみ、「Winの累乗」。連載第1回で、この新しいビジネスモデルのあり方を提唱したのが、たった「20円」で全世界20億人にリーチする活動を展開しているNPO、テーブル・フォー・ツー・インターナショナル(TFT)代表の小暮真久氏。
<自社を取り巻くすべてにおいて『Win』を作り、それをどんどん増やすことが、グローバルにビジネスを成功させることにつながる>という「Winの累乗」について、小暮氏が「本業を通して社会にいいことを成し遂げる」ための実践例を紹介します。
第3回となる今回は、顧客・サービスの受け手にWinを作る製品の「設計」の仕方を、ミネラルウォーター「いろはす」の成功例を通して考えます。

「何を作っても売れない時代」は本当か?

 「作れば売れる」大量生産・消費の時代は終わった――。

 そんなふうに言われてすでに長い時間が経っています。さらに、最近では長引く不景気を反映してか、「何を作っても売れない時代」とさえ言われています。今の時代、Customer(顧客・サービスの受け手)にWinを作るのは一筋縄ではいかないよ、という声です。

 でも、これって本当でしょうか?

 ヒット商品の番付などを見ると、「あ、これ知ってる」という商品が並びますし、こんな時代でも売れているものは確実にある。たとえば、コカ・コーラ社の「いろはす」。ミネラルウォーターとしては後発ながら、発売されるやいなや加速度的にシェアを伸ばしました。

 こうした状況を見ると、むしろ不景気であるがゆえに、消費者はサービスの提供側の論理で動かされることはなく、本当にほしいものが出てくるのを待っているんじゃないか――僕にはそう思えます。とすれば、顧客にWinを作るということは以前よりもはるかに難しくなっているのかもしれません。

商品開発に求められる3つのステップを見直す

 こうなってくると、当然ながら従来の商品開発からの発想の転換が必要になってきます。では通常、商品やサービスの開発をする際、みなさんはどういう頭の使い方をするでしょう?もちろん企業によって違いはあると思いますが、大雑把なのを承知でまとめてみると、

1.顧客(のニーズ)を知る
2.製品・サービスの設計をする
3.顧客に届ける

という3つの段階を経て、製品・サービスは世に出されるのではないでしょうか。

 このステップ自体は以前から変わらないとしても、顧客にWinが作りにくいと考えられる昨今の状況では、各ステップでの頭の使い方をどのように変えれば顧客のベネフィットを最大にし、Winを作り出していけるのか

 ここでは、「2.製品・サービスの設計をする」というところに絞って考えてみましょう。

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小暮真久 [TABLE FOR TWO International 代表理事]

1972年生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、オーストラリアのスインバン工科大で人工心臓の研究を行なう。1999年、同大学修士号取得後、マッキンゼー・アンド・カンパニー東京支社入社。(ヘルスケア、メディア、小売流通、製造業など幅広い業界の組織改革・オペレーション改善・営業戦略などのプロジェクトに従事)。同社米国ニュージャージー支社勤務を経て、2005年、松竹株式会社入社、(事業開発を担当)。
経済学者ジェフリー・サックスとの出会いに強い感銘を受け、その後、先進国の肥満と開発途上国の飢餓という2つの問題の同時解決を目指す日本発の社会貢献事業「TABLE FOR TWO」プロジェクトに参画。2007年NPO法人「TABLE FOR TWO International」を創設し、代表理事に就任。社会起業家として日本、アフリカ、米国を拠点に活動中。
2011年、シュワブ財団・世界経済フォーラム 「アジアを代表する社会起業家」(アジアで5人)に選出。同年、日経イノベーター大賞優秀賞を受賞。2012年、世界有数の経済誌Forbesが選ぶ「アジアを代表する慈善活動家ヒーロー48人」(48 Heroes Of Philanthropy)に選出。
著書に、『社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた』(ダイヤモンド社)、『「20円」で世界をつなぐ仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)、『20代からはじめる社会貢献』(PHP新書)がある。『「20円」で世界をつなぐ仕事』は、ビジネス書大賞 新人賞を獲得。


社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた【実践編】

たった「20円」で、先進国の肥満と、開発途上国の飢餓・栄養不足を同時に解決するビジネスモデルを打ち立て、全世界20億人にリーチする活動を展開しているNPO、テーブル・フォー・ツー・インターナショナル(TFT)。このTFTを率いるのが、元マッキンゼーのコンサルタントで、いまや全世界が注目する社会起業家である小暮真久氏です。
この度『社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた』で成功しているNPOと企業の共通点を描き出した小暮氏が、「本業を通して社会にいいことを成し遂げる」ための実践例を紹介する連載(全6回予定)。
大塚製薬「ポカリスエット」、リッツカールトン、ユニクロ、味の素など、事例も満載。

「社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた【実践編】」

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