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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の28「地球はちゃんと回っている」
社員を元気づける早川種三のマジック

江上 剛 [作家]
【第28回】 2012年11月6日
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 早川種三という人を知っているだろうか?いや、覚えているだろうか?と言った方が適切かもしれない。

 「再建の神様」と呼ばれ、多くの企業再建に尽力した人だ。高度成長期に倒産した佐藤造機や興人の再建で有名になったが、興人の倒産が1974年、今から約40年も前に活躍した人だから、今や話題にもならない。

 しかし、最近、JALの破綻から再上場で京セラの稲盛和夫氏が活躍したり、シャープの経営悪化が話題になるなど、日本企業の経営問題が噴出しており、もう一度、早川種三のことを思いだしてもいいだろう。

 これも広く考えれば「古典」だということで了解してもらいたい。

慶応を10年かかって卒業

 彼のプロフィールを簡単に紹介しよう。

 彼は、明治30年に宮城県仙台市に生まれた。父親は明治政府の土木技官から身を起こした企業家で、仙台市長を無給で務めるなどした篤志家だった。

 大正13年に慶応大学を10年もかかって卒業する。この間、茶屋遊びで、放蕩三昧。父親から譲ってもらった、現在では数億円という財産を蕩尽してしまう。また登山に興味を持ち、日本の登山家の草分け的な存在にもなる。

 卒業しても就職先が無く、登山の能力を生かして「紀屋」というペンキ屋を開業する。折からのビル建設ブームと放蕩や登山で培った人脈を生かし、丸の内界隈のビルの塗装を請け負い、事業は順調に推移する。

 ところが好事魔多し。主要販売先であった東京建鉄の業績が悪化し、売掛金が焦げ付きそうになる。

 「あんたが経営して建て直してくれ」と東京建鉄から頼まれてしまい、それ以降、再建屋としての人生が始まる。

 これが昭和5年のことだ。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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