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弁護士・永沢徹 企業乱世を読み解く

M&Aにおける“ビューティー・コンテスト”とは?

永沢 徹 [弁護士]
【第7回】 2007年11月28日
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 M&Aにおける「ビューティー・コンテスト」というのをご存じだろうか。ビューティー・コンテストといっても、ミス◯◯などの美人コンテストのことではない。M&Aや高額不動産売却の際の、売り手側のフィナンシャルアドバイザーの選定作業のことで、もっとも魅力的なアドバイザーを選ぶという意味で、この用語が使われている。

 究極のM&Aといわれる会社更生の保全管理人に就任すると、多くの投資銀行、証券会社、M&Aブティックといわれる会社から、山のように書類が届けられる。それらは、立派な冊子になっていて、そこには、トラックレコードといわれる今までの業務実績や担当者のプロフィール、本案件に対する理解度、スキームの提案等が記載されている。ビューティー・コンテストの開幕である。

 続いて、候補となる業者を集めてのプレゼンテーションが行なわれる。各アドバイザー候補に、たとえば30分などの時間が与えられ、案件についての具体的な提案内容や、手数料の説明がされる。まさにコンテストに臨んで、抱負を語ってもらうわけだ。それらの提案内容を比べてもっとも相応しいアドバイザーを選定することが、M&A成功の重要なポイントになる。

 では、フィナンシャルアドバイザーの選定基準とは何か。

 必ずしもアドバイザーに支払う手数料が安ければよいというものではなく、かといって名のある業者が全てよいというわけでもない。まず重視されるのが、同種の案件に対する実績だ。その意味では、フレッシュな人を選ぶビューティー・コンテストとは違い、むしろ手垢が付いているような練達の候補のほうが信頼できるとも言える。保全管理人団は、その案件となる業界に必ずしも詳しいわけではないので、業界に詳しいことがアドバイザーの重要な条件になる。

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永沢 徹 [弁護士]

1959年栃木県生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験合格。卒業後の84年、弁護士登録。95年、永沢法律事務所(現永沢総合法律事務所)を設立。M&Aのエキスパートとして数多くの案件に関わる。著書は「大買収時代」(光文社)など多数。永沢総合法律事務所ホームページ


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