安易に人を増やさず、
「1人当たりの粗利」を確保する

 新しい事業は、核となる事業(もともと行っている事業)に付随するものや、核となる事業の周辺に位置するものがやりやすいと思います。他にもさまざまな要素がありますが、ここが一番のポイントです。

 例えば、経営コンサルティング業であれば、経営に関する教材を販売するなどのことが考えられます。メインの事業に近い事業を1つずつ増やしていくことで、メインの事業も新しく始める事業も、お互いの共通点を生かすことができるというメリットがあります。

 またこの方法であれば、仮に新しく始めた事業が儲からなかったときでも、撤退しやすく、大きなダメージを受けません。

 ただ、ここで気をつけてほしいのは、「安易に人を増やさないこと」と「1人当たりの粗利を確保する」です。

 前回の連載でお話ししましたが、「1人当たりの粗利」とは、粗利(売上総利益)を従業員数で割ったものです。つまりこの数値は、「会社で稼いだお金(粗利)を、いったい何人で生み出しているか」を表すものであり、会社の本当の力を探るバロメーターになります。※「1人当たりの粗利」についての詳細記事