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アップルとサムスンの天下も10年後は続いていない?
日本復活が夢ではないIT業界の“近未来予想図”

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第252回】 2012年11月20日
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一度自由な発想で考えてみよう
アップル、サムスンの勢いは続くか?

 10年後、世界のIT企業の勢力図はどうなっているだろうか。やや荒唐無稽だが、現在わかっていること、これから起こりそうなことを全てひっくるめて、自由な想像を働かせてみたい。

 まず、現在の世界のIT企業の勢力図を整理する。今、まさにIT関連製品群の中で、パソコンからスマートフォン、タブレットPCへと中心が移っている。それに伴い、パソコンメーカーの重要性が相対的に低下する一方、アップル、サムスンの2大メーカーが世界のIT市場を席巻している。

 おそらく、この流れは向こう10年間変わらないだろう。むしろ、クラウドコンピューティングと呼ばれる集中型のシステムが進化するために、パソコンの重要性はさらに低下すると予想する。

 職場などでも1人1人がパソコンを持つ時代は、もうすぐ終わろうとしている。簡単なキーボードによって、クラウドの中にデータや情報を蓄積し、必要なときにそれをダウンロードして使うことになるだろう。

 個人の利用者間では、すでにスマホ、タブレットへと向かう流れが定着している。主にメールやインターネットを使う利用者にとって、スマホやタブレットを使えば十分に用が足りる。

 軽くて持ち運びに便利、しかも外でも使えるスマホ、タブレットは、おそらく10年後においてもIT機器の中心になっているだろう。さらなる技術の発展で、スマホとタブレットの区別が明確ではなくなっているかもしれない。

 そうした流れが続くと、スマホ、タブレットメーカーの隆盛がより鮮明になるだろう。ということは、当分、アップルやサムスンの天下が続くと見られる。しかし、両巨頭の天下は長くは続かないかもしれない。

 台湾や中国などのメーカーの参入によって、競争が激化することは避けられない。そうした状況下、アップルやサムスンですら生き残ることが難しくなるような時代が来る可能性もある。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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