ブラッドピット主演映画「F1」、メタリカ&U2のライブを、自宅でIMAX以上の臨場感で体験する方法とは6月27日から全国の劇場で公開中の映画「F1」。AppleTVでは現在、予告編とボーナスコンテンツを視聴できる Photo:Apple

ブラッド・ピットがF1レーサーに扮し、本物さながらのF1マシンを操る映画「F1」。6月末に公開され、4D、ドルビーシネマ、ScreenX、IMAXなどさまざまなフォーマットで上映されており、現在大ヒット中だ。徹底的なリアリティにこだわって制作された本作では、IMAXカメラに加え、Appleとソニーがそれぞれ開発した専用カメラが使われている。その「F1」のドライビングシーンを、自宅で、IMAXシアター以上の臨場感で体験する方法をご存じだろうか?(テクノロジーライター 大谷和利)

ブラピがサーキットを走る!映画「F1」はAppleとソニーのカメラで撮影された

 現在公開中の映画「F1」は、主演するブラッド・ピット自身の制作会社であるPlan B EntertainmentやApple Studioなど数社の共同制作による作品だ。監督のジョセフ・コジンスキーは「トップガン:マーヴェリック」も手がけた人物で、「F1」も「地上のトップガン」ともいうべき臨場感あふれるレース映像を堪能できると話題を呼んでいる。実際、彼は「F1」について、「(トップガンと)同じように迫力ある映像を実写で撮りたかった」とインタビューで語っている。

 そのため、同監督はAppleとソニーに撮影用の特殊カメラの開発を依頼した。Appleは後にiPhone 15 Proに組み込まれるカメラシステムをベースにしたカメラを20台、ソニーは「トップガン:マーヴェリック」で使われた小型カメラをさらにダウンサイズした特殊カメラを25台用意。それぞれを撮影用のレーシングカーの各所に取り付けて撮影に臨み、さらにIMAXカメラも併用するという贅沢な機材体制だった。

 メイキング映像などを見たところ、Appleのシステムは薄さを生かし、F1マシンのオンボードカメラのハウジング内などに収めて固定視点を撮影するために利用。一方で、リモート操作で角度を変えるなどのオプションを付けられるソニーの小型カメラは、ヘルメットやコックピット、ラジエーター近くに設置されて、被写体の動きを追うような映像に使うといった役割分担があったようだ。IMAXカメラは全体的なシーンの撮影に使われていた。

 何より驚かされるのは、Apple製、ソニー製、IMAX用のこれら3種のカメラの映像がいずれも、IMAXスクリーンで観ても区別がつかないほど高画質という点だろう。

ブラッドピット主演映画「F1」、メタリカ&U2のライブを、自宅でIMAX以上の臨場感で体験する方法とは高速で走行中に、並走するライバルたちをとらえていたコックピットのソニー製カメラが、パンしてドライバーが視界に入ってくるようなダイナミックなショットが随所に散りばめられている Photo:Apple