世界を変えるビッグ・アイデアを生み出せるか?<br />グローバル人材に不可欠な「コンセプト」という武器『ジャパニーズ・スピリッツの開国力 ~だから、僕らはグローバル人材をめざす』(ダイヤモンド社刊)

 僕の2冊目の著書『ジャパニーズ・スピリッツの開国力~だから、僕らはグローバル人材をめざす』が11月15日に発売された。サブタイトルにあるように、今回のテーマは、いま話題のキーワード「グローバル人材」である。

 社会貢献をテーマに活動している人間が「なぜにグローバル人材?」と質問されることも多い。昨今は、文科省も予算をつけてグローバル人材の育成に取り組むなど、官民挙げてのグローバル人材ブームともいえるので、ブームに乗っかっての出版かというと、まあ、そうとも言えるが、もちろんそれだけが理由ではない。書きたいこと、伝えたいことがあるから書いた。あたりまえだが、それが最大の理由だ。

 この本はグローバル人材についての本なので、社会貢献についてはほとんど触れていない。しかし、根底にあるのはやはり社会貢献なのである。つまり、「世界を変えるグローバル人材とは何か?」というのが裏テーマなのである。当連載の読者は社会貢献に関心のある人たちなので、今回は社会貢献とグローバル人材の関係についてお伝えしたいと思う。

「大きく考える」ことの大切さ

 社会貢献とは何か? 僕にとってはそれは「世界を変える」ことと同義である。常々「社会貢献は革命思想である」と語っているが、これも社会貢献は世界を変えることであるという意味に他ならない。社会貢献は単なる慈善ではないということも、その意味である。

 では、世界を変えるために必要なことは何か? それは「Think Big」=「大きく考えろ」ということである。世界を変えるためには、そのビジョンも大きくなければならない。大きなビジョンを生み出すためには「Think Big」が必要なのである。ソーシャル・ビジネスにしろCSRにしろ、さまざまな社会貢献活動は、社会に対して大きなインパクトを与える必要がある。そのためにも「Think Big」である。

 しかし、さまざまなソーシャル系ビジネスプラン・コンテストや助成金の審査員をやっていて危惧するのは、小さなアイデアや活動があまりにも多すぎるということである。昨今では世界の社会起業家に触発されてソーシャル・ビジネスを志向する若者も多いが、残念ながら大きなアイデアに出会えることは少ない。社会貢献においては、視線が低いことは重要だが、視点は高く持つべきだ。そうでなければ、大きなアイデアは生まれないし、大きなアイデアでなければ世界は変わらない。そのためにも、大きく考えることが重要だ。