そしてなんといっても組閣です。マスコミ評を見ると、「地味だ」「知らない人ばかりだ」などと酷評も目にしますが、それはそうでしょう。初入閣が13人もおり、しかもその中には衆院当選3回の若手議員が3人もいるのです。

 牧島かれん党青年局長はデジタル相、堀内詔子環境副大臣はワクチン担当相、小林鷹之元防衛政務官は新設する経済安全保障担当相となりました。

 これには私の目玉がゆでたまごになりました。先日の記事で、牧島かれん氏が入閣することを予想していましたが、半ば願望も含まれていたため、筆者にとってもサプライズ人事になりました。この組閣についてひもといていきましょう。

組閣において
二階派にも配慮

 先日の記事では組閣における注目ポイントとして、(1)論功行賞、(2)挙党一致体制、(3)選挙対策の3つを挙げました。

 今回の人事を見ると、この3つがきれいに当てはめられていました。自民党総裁選で協力してくれた派閥への恩返しをしっかりとやってのけています。

 特に参議院議員へ感謝をしていることがよく表れています。先の総裁選では、河野氏を支持した参議院議員は一桁程度とも言われており、多くの参議院議員が岸田氏を支持していたとのことで、その恩義を感じているのです。通常の内閣人事では参議院議員の大臣は1~2人のところ、今回は3人も入っています。岸田式の「配慮」がここにも表れています。

 また、岸田氏は新総裁に選ばれた後に「ここからはノーサイド。全員野球で戦っていこう」という旨のコメントをしましたが、スポーツの垣根を超えるくらいの包容力を見せたのが、二階派への心配りです。