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野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む

アメリカ一極集中の時代は終わらない!?
先端IT企業の超高収益が示す新たな世界

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第42回】 2009年10月24日
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 未曾有の経済危機のなかで、グーグル、IBM、アップル、アマゾンなどの先端的IT企業が、きわめて高い利益を記録している。アメリカ株式市場では、こうした情勢を反映して、ハイテク銘柄が年初来、50%以上も上昇した。

 最近の状況は、つぎのとおりだ。

【グーグル】
・2009年4~6月期の売上高は前年同期比3%増にとどまったが、純利益は同19%増となった。
・7~9月期の売上高は前年同期比7%増となり、純利益は27.1%増となった。
・株価は、10月21日には551ドルであり、今年初めの321ドルに比べて72%も上昇している。

【IBM】
・09年4~6月期の売上高は前年同期比13%の減(為替の影響を除いた場合は7%減)だったが、純利益は同12%の増益だった。
・7~9月期の売上高は前年同期比7%の減(為替の影響を除いた場合は5%減)だったが、純利益は14%増となった。
・株価は、10月21日には121ドルであり、今年初めの86ドルに比べて41%上昇している。

【アップル】
・09年4~6月期には、売上と純利益は前年同期をそれぞれ12%と15%上回った。これは、年末商戦のある10~12月期を除いて、アップル史上最高の決算だった。
・7~9月期には、売上高は98億7000万ドルとなり、前年同期の79億ドルより5%増加した。利益は16億7000万ドルで、前年同期の純利益11億4000万ドルを47%も上回る大幅増益となった。
・株価は、10月21日には205ドルであり、今年初めの91ドルに比べて、実に125%上昇している。

【アマゾン】
・09年4~6月期の売上高は前年同期比14%増、純利益は同10%減となった。
・株価は、10月21日には93ドルであり、今年初めの54ドルに比べて72%上昇している。

 これら先端的IT企業の好業績は、今年になって始まったことではない。金融危機の発生以降、続いてきたことだ。「ITだけが経済危機の影響を受けないはずはないから、いつかは終わる」と言われてきたのだが、結局終わらなかったわけである。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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