介護脱毛以外に選択肢はないのか

 介護現場に立つ筆者としては、「介護脱毛」がもっと一般的になることを願っている。しかし同時に、定着するには5年、10年かかるだろうとも思っている。少なからずまとまったお金は必要だし、介護脱毛に踏み切る余裕などないのが、おそらく現在の生活者の本音だからだ。

 だから最後に、れっきとした医療脱毛でなくても、介護する側とされる側双方にとってありがたい結果となり得る裏ワザをご紹介したい。

 その一つが、介護される側のアンダーヘアをカットするという手法。当然ながら、当人から拒否があったり危険を伴ったりするようなら断行してはならないが、ご家族の了承のもと、本人にも拒否が見られなければ、一つの手法とはなり得る。うまくカットできれば、本人の清潔保持や感染予防にもつながる。

 また介助する側にとってもメリットしかない。とりわけ自宅での介護に向いている。急きょ自宅で介助することになった子や孫にとっては、覚えておいた方がいい裏ワザかと思う。介護疲れで自滅しては、親も祖父母もうれしくないだろう。

 自分の老後を踏まえての「介護脱毛」という選択肢――アリではないだろうか。