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中国語ができなくても大丈夫 野口悠紀雄の中国経済統計「超」読解法

「経済大国」の実態が透けて見える中国GDP統計のお粗末さ

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第3回】 2012年11月29日
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 中国の国内総生産(GDP)が注目を集めている。経済危機後の2009年から10年にかけては、先進諸国の経済成長率が軒並み落ち込むなかで、景気刺激策に支えられて中国は高成長を維持した。その影響で日本から中国への輸出も増加し、それが10年における日本経済回復の大きな原因になった。

 ところが、最近では中国経済の成長率が低下し、そのため日本の対中輸出が減少し、日本の鉱工業生産指数が低下するという事態が生じている。日本経済の命運が、中国GDPの動向に握られてしまっているかの感さえある。

 またGDPの成長率は、中国国内でも重視されている経済指標だ。農民工(農村からの出稼ぎ労働者)の失業率を上昇させないためには、実質GDPで8%の成長率が必要だとされている。

 仮に成長率がこれを下回ると、失業率が上昇し、深刻な社会不安に陥りかねない。中国実質GDPの成長率は2001年以降8%を下回ったことがなく、今回のような停滞は、初めての現象だ。これに対応して中国当局がいかなる措置をとるかが注目されている。

 そこで、今回は、中国の国内総生産の計数を中国のサイトで調べるという課題に挑戦することとしよう。

8%を下回った実質経済成長率

 GDPの数値は、中国国家統計局が作成している。ホームページから、「統計数値」のセクションを選ぶ。

 ここに月次、四半期、年などの分類でいくつかの統計が表示される。GDPは四半期ごとに発表されるので、「季 度 数 据」(四半期計数)を見る。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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中国語ができなくても大丈夫 野口悠紀雄の中国経済統計「超」読解法

多くの日本企業が中国関連事業を将来の事業計画の中核に据えている。したがって、中国に関する情報の入手はこれからのビジネスマンにとって重要な課題だ。本連載では、中国語ができなくても、中国語で中国の情報を収集するノウハウを提供する。 

「中国語ができなくても大丈夫 野口悠紀雄の中国経済統計「超」読解法」

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