ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
田中秀征 政権ウォッチ

嘉田知事の「日本未来の党」が総選挙の鍵を握った
選挙構図も政権の枠組みも激変する!?

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第160回】 2012年11月29日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 嘉田由紀子滋賀県知事は27日「日本未来の党」の結成を宣言した。これによって選挙構図は一変し、今回の総選挙に大きな明るい展望が開けてきた。おそらくこの動きは総選挙の台風の目になるに違いない。本欄で私が出現を待望してきた“ミスターX”は嘉田知事になのかもしれない。

 これで第三極は2つの勢力が揃い、その進撃の相乗効果によって総選挙で自民、民主両党を追いつめていくことになる。ひょっとすると自民と民主の対戦は、二軍戦のようになってしまう可能性もある。

 そもそも第三極への待望論が強まったのは、民主党政権が、税金の無駄遣いを放置して消費税増税に走ったことに根因がある。これに対する怒りは衆議院議員40人削減や公務員宿舎の半減などの小手先の偽造手法で収まる規模のものではない。

 この第三極の流れをさらに大震災後の原発政策への強い不信感が、必死に後押しすることになった。

 だからこれら2点をあいまいにすれば、第三極の政党はたちまち失速する運命にある。

 嘉田知事は、今のところ知事を辞めて国政の場に出ることを否定している。しかし、ここで衆院選に出馬しても多くの人が理解し、歓迎するだろう。むしろ「卒原発」を貫くならそのほうがよぼど筋が通っている。嘉田氏の英断を期待するところだ。

 小沢一郎氏にとってもこれで“最後の御奉公”の道が開けたことになる。彼もこの際は大きな成果を得るために一歩も二歩も引くだろう。

 嘉田氏を中心とした第三極Bはリベラル勢力の結集と言われるだろう。心配されるのは日本の〝国家主権“について強い認識を持っているかどうかである。この点では保守を自認する「みどりの風」の支えが必要になる。尖閣問題のような他国による日本の主権侵害の事態には、毅然として対応する決意を示してほしい。

 人権運動も環境運動もそうだが、そもそも市民運動はインターナショナルな政治運動だ。国境というものをあまり認識しない。しかし現実の世界は主権国家がしのぎを削っている。日本未来の党の指導者に対しては、この点に不安を持つ人も少なくない。「みどりの風」はそれを補う重要な役割が期待される。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


田中秀征 政権ウォッチ

かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

「田中秀征 政権ウォッチ」

⇒バックナンバー一覧