通常の生活に戻り
賃貸住宅の新規需要も回復

 新規感染者の絶対数の少なさは、当面の間、大量の感染者が発生することがないという安心感を与える。なぜなら、今日の感染者数と最も近い数字は昨日の感染者数だからだ。この状態であれば、予算も余っていることもあり、Go Toキャンペーンの再開が早期に見込まれる。この経済効果は既に証明済みで、雇用の急拡大も見込まれる。

 宿泊・飲食・旅行などの営業制限が行われていた分野で、雇用が急速に戻ることも前回の統計数値の実績から明らかである。幸いにも失業率が2.8%ほどで、有効求人倍率が1以上あるところに、ほとんど稼働していない業界の回復が見込まれるので、特需のように、人手不足なところほど活況な状態になるだろう。その仕事が最も生まれるのは、そもそもの従事者が多かったことに加え感染者が多かった大都市になる確率が高い。

 また、政府は11月8日から外国人の新規入国を再開した。留学や技能実習で事前承認を得ていて来日していない人は37万人に及ぶ。当初は1日当たり3500人を上限とするものの、それでも1カ月で10万人を超えることになる。

 在留資格を持つ外国人の分布は日本人の人口分布に準ずる。ここでも大都市圏への集中が想定される。技能実習という名目で在留資格は1年ごとに更新されることになるが、実質的には労働力を確保するための移民の意味合いが強いので、受け入れには経済回復は必要条件である。

 こうして、賃貸住宅の新規需要として日本人と外国人の流入が本格化する。ほぼゼロだった新規需要が増え始めるだけでなく、毎年年度の初めにやってくる新卒内定者の数も増えている。昨年はコロナで採用を取りやめる企業が相次いだが、今年は落ち着きを取り戻して、コロナ前の水準で内定が出ている。これは都区部に人が流入してくる先行指標なので、4月の流入は例年並みに戻ると想定される。