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【長崎県】倫理観念が強く 国際的な感性の持ち主

都道府県データ:Vol.31

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第31回】 2010年3月8日
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 長崎県は、キリスト教とゆかりの深い県である。16世紀、戦国時代の後半から、この地にはポルトガルやスペインの伝道師、貿易商人が訪れるようになり、カトリック系のキリスト教を人々に広めていったのがその淵源である。

 宗教というのは、私たちが考えている以上に個々の生き方に深い影響を与えるようで、それから400年以上を経た今もなお、長崎県の人々は倫理観念が強い。「うそをつくことは許せない」「賭け事は悪いことだ」(NHK世論調査)と考えている人の割合は全国平均よりかなり高いし、犯罪発生率も全国で44位と少ない。また、日本で初めて共同募金なるものが行われた(1921年)のも長崎である。その背景にはやはり、キリスト教的な思想がありそうだ。

 といって、しゃちほこばった考え方をしているわけではない。キリスト教のほかにも、長崎には、ビール、ワイン、コーヒー、パン、タバコ、天ぷら、カステラなど、さまざまな飲食物が伝えられた。カルタ、トランプ、ジャンケンなどもここから入ってきた。

西欧文明と触れる唯一の地となり
知らず知らずのうちに磨かれた国際的な感性

 しかも、江戸時代になると鎖国が実施されたため、長崎は、西欧文明と触れる唯一の地となる。最新の学問・技術など、今流にいうならソフトウエアも、最初は長崎に上陸してきた。新しいものに絶え間なく触れてきたことで知らず知らずのうちに磨かれた国際的な感性は、長崎県人の大きな特徴である。だから、欧米では当たり前だが、仕事に対する感覚も「休みのために働く」という傾向が強い。このあたり、「働くために休みがある」という日本人的な常識とは大きなへだたりがある。

 それでいて、伝統的な価値観を失わないのも興味深い。「昔からあるしきたりは尊重すべき」「一家団らんを大切にしたい」(NHK世論調査)と感じている人の割合は、47都道府県でトップだ。となると、長崎県人は、本当の意味での「国際性」を備えている人たちといえよう。それだけに、「休みも返上して」「徹夜してでも」式の、日本人的な考え方を押しつけるのは避けたほうがいいかもしれない。

◆長崎県データ◆県庁所在地:長崎市/県知事:金子原二郎/人口:143万1740人(H22年)/面積:4096平方キロメートル/農業産出額:1349億円(H19年)/県の木:ヒノキ・ツバキ/県の花:雲仙ツツジ/県の鳥:オシドリ

データはすべて、記事発表当時のものです

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岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


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