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出口治明の提言:日本の優先順位

ソーシャルを活用しよう
~インターネットが拓く未来~

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第71回】 2012年12月11日
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 インターネットやソーシャルという言葉を聞かない日はない。新聞や雑誌も、これらの言葉に満ち溢れている。インターネットやソーシャルは、私たちの生活や暮らしをどのように変えていくのだろうか。

インターネットは
市民(弱者)を強くする

 結論から先に述べれば、インターネットは市民(弱者)の武器であると思う。まず、情報について考えてみよう。昔は、情報は国家(官僚)や大企業がほぼ独占していた。役所や大企業の中にいなければ、情報へのアクセス自体が極めて限られていたのである。ところが、インターネットの登場によって、事態は劇的に変わってしまった。

 情報元(官庁、企業等)は従来なら、印刷して配布しなければ末端まで届けられなかった諸情報やデータを、HP上に公開することによって、瞬時に世界の隅々までフリーで届ける手段を得た。市民は従来なら、しかるべき場所に出向き、お金を払って入手しなければ得られなかった諸情報やデータに、いつでもどこからでも容易に、しかもフリーでアクセスすることができるようになった。これは、何も持たない市民にとっては福音以外の何物でもないだろう。

 さらに、インターネットで自由にアクセスできるようになったのは、何も無形の情報やデータだけではない。町に出てわざわざ買物に行かなくても、インターネット上のショップで、市民は自由に買い物ができるようになったのである。しかも、ネット販売は(流通業者が介在する)対面販売に比べて、生産者と消費者が直接結びつく形態を採るため、流通コストの節減が可能となり、結果として、ほとんどのモノを(リアルな店舗で買うよりも)、より安く買うことができるのだ。

 加えて、インターネットを駆使すれば、生産者にも大きなメリットが得られる。適切な発信を行えば、上述した消費者だけではなく、コストをかけずに事業のパートナーや原材料の仕入れ業者等にもフリーでアクセスする道が開かれ、ネットを駆使して、質の高い原材料を競争力の高いコストで仕入れることも可能になったのである。例えば、かつての求人活動は、新聞(地方紙)広告や、電柱への貼りつけによって行われていた。今は、職を探している人は、新聞の求人広告を見る人は少なく、ネットで自分にあった職業を探す人が増えた。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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