試しに計算してみると、往路は157秒差。つまり2分37秒遅れで箱根・芦ノ湖のゴールに飛び込んだことになる。復路では7区岸本大紀(3年)、9区中村唯翔(3年)、10区中倉啓敦(3年)の3人が区間1位を記録し、合わせて2分15秒も盛り返しているので、トップを取れなかった残り2選手の遅れを差し引きしても1分14秒も縮めている。総合順位では全員トップ(もしくは2位)のチームが存在しても、わずか1分23秒の差で大手町のゴールに到達する計算になる。

 他大学のオールスター・チームを編成し、青学と一騎打ちの勝負をしてもこれだけの接戦になる。それくらい、今年の青学は強かった。今大会2位の順天堂が青学に10分51秒の差をつけられた理由がよく理解できるだろう。

青学に勝てる大学はどこ?

 他大学は早速、青学をどうしのぐかの対策と努力に向かうわけだが、青学に大きな異変がない限り、来年以降もその強さは揺るがないように感じられる。果たして、盤石の青学をしのぐ大学が現れるとすればどこか? 新春の初夢の要素も加えながら、少し大胆な予想を展開してみたい。

 ここ数年、新しい顔ぶれが箱根駅伝に登場するようになった。新興の大学が、少子化の環境下、大学自体の生き残りをかけて箱根駅伝で名を売り、学生を確保しようとする戦略を採用しているからだ。箱根駅伝に出場することは、単に陸上部の夢でなく、大学の存亡がかかっているわけだ。

 今年は駿河台大が初出場。総合5位に入った東京国際大も創部11年目の若いチームだ。昨年は創価大が往路で初優勝を飾り、総合2位と旋風を巻き起こした。2015年に初出場した創価大は今年も期待されたが、7位にとどまった。今回は出場できなかった上武大なども含め、これら新しいチームの勢いは侮れないが、選手層の厚さを含め、青学を脅かす可能性はどれほどあるだろう。

青学の監督が恐れる大学の3条件

 青学の原晋監督の立場になって、原監督が「怖い」と恐れる大学があるとすれば、どんなチームか? その観点から、私は端的に三つの条件を挙げたい。