学び直し“裏技”大全#10

私立最難関の慶應義塾の出身者でなければ、最強の学閥「三田会」には入れない。だが、諦めるのは早計だ。つぶさに見れば、慶應の中でも名門とされる研究科に入り込むルートが存在する。特集『資格・大学・大学院で自分の価値を上げる! 学び直し“裏ワザ”大全』(全11回)の#10では、社会人から慶應三田会に転身できる「穴場」ルートを紹介しよう。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

最強の学閥「慶應三田会」に
社会人から華麗なる転身!

 学閥の王者、慶應三田会。私立最難関である慶應義塾大学出身という一生涯有効な勲章だけではない。卒業すれば、OB・OGによって組織される、三田会の一員になれるという“果実”も手にすることができるのだ。

 この三田会とは、多くの有名企業内で組織される職域三田会に加え、不動産業界や医療業界、法曹界など職種団体別の三田会の、慶應の卒業生約39万人のOB・OGネットワークのこと。

 加えて、大学のみならず、小学校から大学院、医学部までも擁する慶應の在学生は約4万人。彼ら彼女らがいずれ三田会組織に順次加入し、慶應の強固なつながりをさらに広げていく。その構図を概観したものが、下図だ。

 慶應大卒の上場企業社長の数は、慶應と双璧を成す早稲田大学を凌駕し、名だたる企業のトップに慶應卒の社長が名を連ねる。また、多くの有名企業に存在する職域三田会を中心に、同窓つながりによるビジネス上の取り計らいや出世面においても有利に働くという。

 また、三田会という強固なインナーサークルは企業内にとどまらない。例えば、不動産三田会では公になる前の不動産情報が飛び交い、頻繁にマッチングが行われている。他にも、医師や弁護士、会計士など士業にも慶應出身者が多いため、何か事が起こっても「三田会内でたいてい解決できます」と三田会の会員たちは口々に言う。こうしたお得なつながりは、婚活や就活などでも同様に有利に働く。

 むろん、こうした三田会ネットワークに所属するには、慶應卒であることが絶対条件。ならば、他大学出身者には縁がないかといえば、さにあらず。社会人でも三田会に所属できるルートが存在する。ずばり、慶應の大学院に入学すればいいのだ。

 慶應の大学院といえば相当ハードルが高そうだが、実は幾つもの「穴場」が存在する。

 例えば、最近、日東駒専(日本大、東洋大、駒澤大、専修大)レベルの大学を卒業した社会人が、慶應義塾大学大学院医学研究科に合格した。詳細は後述するが、「実はライバルが少ないブルーオーシャンが存在します」と、大学受験予備校、中央ゼミナール名物講師の赤田達也氏は言う。

 次ページでは、狙い目の大学院の研究科リスト20を一挙掲載するとともに、受験対策を惜しみなく開陳していこう。