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中国語ができなくても大丈夫 野口悠紀雄の中国経済統計「超」読解法

経済危機後に急増した銀行貸し付け

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第7回】 2012年12月27日
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 金融統計はさまざまな統計の中でも信頼性が高いものだ。しかも、迅速にデータが手に入る。したがって、経済情勢を把握するのに最適だ。以下では、中国人民銀行のサイトで公表されている金融関連データによって、中国経済を把握することを試みよう。

国有銀行が大きなシェアを持つ
中国の金融システム

 データを見るに先立ち、中国の金融制度がどうなっているかを概観しておこう。

 中国の産業資金供給では、銀行による間接金融が重要な役割を果たしている。株式市場や債券市場を通じる資金供給は限界的だ。この点で、日本と似ている。

 銀行セクターでは、中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行、中国銀行の「4大国有商業銀行」が、圧倒的な比重を占めている。大型商業銀行の資産総額は、中国金融業全体の49.2%を占める。純利益や従業員数で見ても、同程度の比重である。

 これらの銀行の時価総額は、きわめて大きい。銀行の株式時価総額の世界ランキングを見ると、中国工商銀行、中国建設銀行が1、2位を占める。中国銀行、中国農業銀行もトップ10に入る。日本の銀行はいまや世界トップ10には入らない。中国のGDPは日本とほぼ同じであることを考えると、大型商業銀行の巨大さは異様だ。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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中国語ができなくても大丈夫 野口悠紀雄の中国経済統計「超」読解法

多くの日本企業が中国関連事業を将来の事業計画の中核に据えている。したがって、中国に関する情報の入手はこれからのビジネスマンにとって重要な課題だ。本連載では、中国語ができなくても、中国語で中国の情報を収集するノウハウを提供する。 

「中国語ができなくても大丈夫 野口悠紀雄の中国経済統計「超」読解法」

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