史上空前の大変革期の真っ只中にある、世界の自動車産業。
そのメインストリームのなかには、大きく3つの要素がある。
それは、パラダイムシフト(市場の変移)、エレクトリフィケーション(動力源の電動化)、そしてテレマティクス(通信と自動車の融合)だ。
2013年は、これら三大要素で異変が起こる。
パラダイムシフト第2ステージの主役は
アジア大洋州、とくに「CLM」に熱い視線
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日米欧からBRICsへ。これが2000年頃から表面化したパラダイムシフトの第1ステージだ。
その第2ステージとして、日本からASEANへの動きが活発化している。
なかでも、CLMに日本企業の期待が高まっている。CLMとは、カンボジア、ラオス、そしてミャンマーを指す。3ヵ国の人口8408万人、GDP規模726.8億米ドルだ。
日系大手自動車メーカーの関係者は「製造拠点の進出の可能性についてなど、最近ミャンマーに対する問い合わせが多い」と語る。
さらには、CLMの人口4.2倍の3億5000万人、GDP規模は同5.2倍の3800億米ドルにあたる南西アジア(バングラデシュ、パキスタン、スリランカ)にも日本企業は熱い視線を送っている。この領域は、インド、ASEAN、オセアニアを含み、アジア大洋州と呼ばれFTA(自由貿易協定)に積極的だ。
筆者も参加したJETRO(日本貿易振興機構)の南西アジア市場への投資・進出説明会(2012年12月・東京)は、当初の参加予定数を大幅に上回る盛況だった。
とはいえ、自動車産業におけるASEAN市場は当分、タイとインドネシアのツートップ体制が続く。