メモの作法にこだわらず
その場にあるものに書く
メモが面倒だと感じる人にぜひお伝えしたいのは、完璧な記録など残す必要はないということです。
メモは本来「記憶のフック」として機能すれば十分。脳のメカニズム上、ひとことでもなぐり書きをしていれば、よほど情報が多いか時間が経つかしなければ、芋づる式に情報が引き出せます。メモの体裁やとり方などは、本来はなんでもいいのです(もちろん、電話の取り次ぎメモなど、他人に情報を伝えるものは除きます)。
私の場合はメモを入れる封筒を用意しただけでした。メモ用紙など買っていません。それこそナプキンでも紙の裏でも箸袋でもなんでも構わなかったのです。それよりも、私にとって大事だったのはメモが散逸しないように、とりあえずすぐに入れられる「場所」だけが必要だったのです。
逆に言えば、メモ自体に関する細かい取り決めをしなかったことがよかったともいえます。仕事をしていてメモをすべきだなと思う瞬間は度々訪れます。そのとき手元にお気に入りのメモがないこともあるでしょう。
メモの作法にこだわりを持ちすぎると、作法通りにいかないときにモチベーションが下がったり、無意味に行動に制約を加えてメモする手間がだんだん面倒になってくるものです。すると「じゃあ、この情報だけは記憶に頼ろう」と言い訳をしがちになります。それでは本末転倒です。
「何事も形から入る性格で」という人もいるでしょうし、それを全否定するつもりはありません。ただ、作法とは手段であって、目的ではないことだけは認識しましょう。
目的はメモを習慣づけて、ワーキングメモリに頼らないことです。これからメモを習慣づけたい人は、自分にとってもっとも気楽な手段、続けられそうなルールを選ぶことがベストです。
デジタルとアナログ
超シンプル・メモルール
昨今はデジタル機器が増えているので昔と比べてメモをとる手段はさまざまあります。だからこそ、あえてルールはシンプルなものに止める必要があると思います。
たとえばこのようなルールはどうでしょうか。