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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

意見の不一致が存在しないときは決定をしない

上田惇生
【第64回】 2008年6月3日
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経営者の条件
ダイヤモンド社刊
1800円(税別)

 「重要なことは、意見の不一致が存在しないときには決定を行なわないことである」(『経営者の条件』)

 ドラッカーによれば、GMを築いたスローンは「この決定に関しては、意見が完全に一致していると了解してよろしいか」と聞き、反応がないときには「それでは問題を理解するための時間が必要と思われるので、いつものように、次回さらに検討することにしたい」と言ったという。

 意見の不一致が必要な理由は3つある。

 第一に、組織の囚人になることを防ぐためである。組織では、あらゆる者が決定からなにかを得ようとする。特別のものを欲し、都合のよい決定をしてもらおうとする。

 第二に、複数の選択肢を得るためである。決定には間違う危険が伴う。最初から間違っていることもあれば、状況の変化によって間違いになることもある。決定のプロセスにおいて他の選択肢を考えてあれば、次に頼るべきものとして、十分に考えたもの、検討ずみのもの、理解ずみのものを持つことができる。

 第三に、想像力を刺激するためである。反対意見、特に検討し尽くされ、かつ裏づけのある反対意見こそ、想像力にとって最も効果的な刺激剤である。

 「選択肢すべてについて検討を加えなければ、視野は閉ざされたままになる。成果をあげるには、教科書にいう意見の一致ではなく、意見の不一致を生み出さなければならない」(『経営者の条件』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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