どんなに良い転職をしても
一度はブルーになるもの

 ただ、それよりも残りの二つの能力が不足してしまうことの方が、転職しなかった人の40~50代のキャリアにおいてデメリットになるかもしれません。

 転職した人ならば必ず経験していることと思いますが、転職直後に必ずといっていいほど転職者はブルーになる時期を経験します。「転職しなければよかった」と心から感じる時期を必ず経るのです。

「聞いていた話と違っていた」「新しい上司とウマが合わない」などの理由もあれば、「社内風土が違っていてやりにくい」「学ばなければならないことが多すぎる」といった要素も、転職したばかりの本人の心を少しずつ削っていきます。

 これを乗り越えるには、転職耐性が必要です。

 ただ、転職に限らず、実は環境が変われば誰もが必ずブルーになる時期を経験するものです。例えば同じ会社でも部署が異動すれば似たような経験をしますし、地方の営業所への転勤のように住所が変わればさらに環境の変化は大きくなります。

 転職の場合はその変化に、会社の風土や会社のやり方の違いが加わります。さらに、前の会社のように同期に助けてもらうことができなくなるというデメリットまで加わるので、覚悟していた以上にブルーになってしまうのです。

 大概の転職者はこの環境や風土、やり方の違いを学んでいくことで、半年もすればこの転職のブルーの時期を通過します。同時にビジネスパーソンとしては転職耐性を身に付けることができます。