複合機 “ドル箱”崩壊#2Photo:erhui1979/gettyimages

世界の複合機市場はシェア9割を日系メーカーが握り、国内製造業の“ラストリゾート”ともいえる。業界をけん引する日系各社は、コロナ禍がいまだ収束しない中でも業績好調で、工場はフル稼働状態にあるという。特集『複合機 “ドル箱”崩壊』の#2では、この市場の特異性を明らかにするとともに、“好調”をうたう各社を待ち受ける「落とし穴」の正体に迫る。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

「日の丸9割」の複合機市場
コロナ禍でも“絶好調”の異常

 世界シェアの9割を日本企業群が握っている――。最終製品の中で、こんな市場が他にあるだろうか。本特集の#1『キヤノン、富士フイルム…複合機業界「再編予想図」を大予測!米ゼロックスの買い手は?』で述べた通り、複合機業界は「日の丸9割」の特異な市場だ。

 この市場が今、さらなる異常事態に見舞われている。コロナ禍を契機として在宅勤務が浸透し、オフィス需要減退で業績が急落、と思いきや、各社の業績は全く逆の方向に推移している。直近の決算発表では大手各社がそろって好調をアピールしており、工場もフル稼働が続いているというのだ。

 なぜ、このような“うれしい異常”が起きているのか。

 次ページでは、コロナ禍にもかかわらず複合機事業が“絶好調”である謎に迫るとともに、その先に待ち受ける「落とし穴」の正体を明らかにする。