その後いろいろなありがたいご縁があって、20年後に加行を高野山大学の加行道場で、伝法灌頂を宝寿院道場で受けさせていたたくことができ、さらなる勉強もできるようになりました。
 今では私の祈りの場には本尊さまとして不動明王の尊像がおられ、仏具も小さいですが、一通りそろえることができています。

 20年というと、「そんなに長くは待てない」という方もおられるかもしれませんね。
 でも、私が形だけの資格ではなく、本当に加行を受けてそれを身につけ、さらにその先に進むためには、20年の年月で祈り、たくさんの本を探して読み込み、人を訪ねて話を聞き、その基礎を身につける必要があったのだと、加行を受け終わって実感しました。きっと
 準備の20年間がなかったら、途中で挫折していたかもしれません。

「最善に願いが叶った!」と私は感じています。
 その20年間は私にとって、とても楽しい時間でした。

願いがあるなら動き出すこと

 やりたいこと、なりたいもの、願っていることがあって、それをご神仏に向かって真剣にお願いしたならば、完全とはいかずとも何か小さなことでも、その方向に自分が動き出すことがとても大事なのです。

 本当に好きで、本当に望んで、本当にやりたいと思うことがあるなら、まねごとからでもいいので取り組んでみる。そして、続けていくことです。
 続けていけば、思いもしないところから道が開けたり、チャンスがめぐってくるように導かれていきます。

 そう。まねごとから始めてもいいのですよ。ただし真剣に……。

一日を感謝で始め、
感謝で終える

 願いを叶えてもらいやすくするため、朝晩に実践するのをおすすめしたいことがあります。

 朝、起きる時に「今日も一日よろしくお願いいたします」とご神仏に申し上げることです。

 仏教的な言い方をするなら、朝、目覚めることは新しい命で新しい世界を生きること。
 感謝の気持ちで目覚め、ご神仏が導いてくださると信じて一日を始めましょう。

 この時、時間があれば、他のことは考えずに、新しい朝が来たという喜びと幸せをじっくりと感じて、その感覚にしばらく浸るのもいいと思います。

 また、夜になって休む時には「今日も一日ありがとうございました」と、ご神仏やお世話になった方々に感謝し、すべてが解決して幸せに笑っている自分の姿を思い浮かべてください。

 日々、感謝とともに一日をスタートさせ、感謝とともに締めくくることを続けてみましょう。
 感謝しない日との違いを実感できることと思います。