写真:東海道本線,JR東海Photo:PIXTA

東海道新幹線でおなじみの、TOKIOのヒット曲「AMBITIOUS JAPAN!」をモチーフにした「メロディーチャイム」が7月20日に終了する。曲名と同じキャンペーンが始まった20年前、きっかけは飛行機に対抗した「移動シェア争い」だった。JR東海にとってまさに「アンビシャス」(野心的)な挑戦だった一大キャンペーンを振り返る。(乗り物ライター 宮武和多哉)

東海道新幹線のメロディーチャイムがついに変更
「AMBITIOUS JAPAN!」20年目で終了へ

 東海道新幹線の車内で、アナウンス前後に流れる「メロディーチャイム」が、間もなく変更となる(JR東海保有車両のみ)。TOKIOのヒット曲「AMBITIOUS JAPAN!」をモチーフにしたチャイムが聴けるのは2023年7月20日まで。翌21日には、歌手・UAさんの楽曲「会いにいこう」をモチーフにした新バージョンに切り替わる。

 現在のメロディーチャイムの使用開始は03年11月24日のこと。同年10月の東海道新幹線・品川駅開業に合わせてJR東海が展開した「AMBITIOUS JAPAN!」キャンペーンの一環として変更された。期間中は新幹線の車体側面に「AMBITIOUS JAPAN!」と書かれた巨大ステッカーが貼付されるなど、同社がそれまで行ったことのなかった宣伝展開が、数々実施された。

 そして、AMBITIOUS JAPAN!のチャイムは、キャンペーン終了後も使用が継続され、いつしか20年間も使用されることに。東海道新幹線を頻繁に利用する出張客をはじめ、すっかりなじみとなったチャイムの使用終了が、さまざまな形で惜しまれている。

 キャンペーンが開催されていた20年前、東海道新幹線は飛行機との激しい「移動シェア争奪戦」を繰り広げていた。「メロディーチャイム変更」「車体に巨大ステッカー貼付」など、当時はまだ珍しかったキャンペーンは、JR東海にとってはまさに「アンビシャス」(野心的)な挑戦でもあったのだ。