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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の36「論語」を読む。
追い出し部屋再考、「仁義なき企業」を問う

江上 剛 [作家]
【第36回】 2013年3月5日
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 相変わらず追い出し部屋の記事が目につく。

 ある会社では、クビにしたい社員のポストを外し、

①社内で自分を雇ってくれる部署を自ら探すことを強いる(社内的に価値がないことを自覚させるため)
②梱包など単純作業をさせる(穴を掘っては埋めるなどの作業をさせていた会社も10年ほど前にあったなぁ)
③社内メールなど情報インフラを使えなくする(隔離状態に置いて精神的に追い詰めるのだろう)

 ――などなど。

 勿論、給料を下げ、過酷なノルマを課すことなど当たり前のようだ。

 こんなことをして、もしうつ病などになってしまえば社会的に損失になり、治療というコストがかかる。その意味では、こんなことをしている企業は、社会にも害毒を流していることになる。

 日本企業は、「人は城、人は石垣」といい、終身雇用(今は死語だが)で、米国企業なんかにくらべると人に愛情があり、優しいと言われてきた。

 米国企業は、クビを通告して、直ぐ放りだす。日本人から見ると、なんて冷たいのだろうと思っていたが、追い出し部屋のことを知ると、実は、そっちのほうが本当は人に優しいのかもしれないと思ってしまう。

 日本は、雇用の硬直性が高いため、なかなかクビにできない。雇用の流動性を高めると非正社員ばかりになり、一層、所得格差が拡大し、社会問題化するためだ。正社員を守るために雇用を硬直化させていることが、不況になると正社員を追い詰めることになるとは!皮肉なことだ。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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