ギブできるものは
すべてギブする

 次は自分の能力で信頼を獲得する方法について説明しましょう。

 アフリカ某国での話となりますが、私が情報の仕入れ先として注目したのは「押収物」でした。その国の警察が、国内の捜査の中で押収する大量の証拠品には、彼らが理解できない日本語や中国語、韓国語のデータや資料も含まれていました。私は中国語も韓国語もできませんが、それでもそれぞれの言語を見分けることはできます。「やばい情報があれば、すぐに教えますから」と言って、頼まれれば警察に出向いて行き、仕分けの手伝いをしました。日本語ならその内容も伝え、簡単に英語にも訳しました。

 相手からは確実に感謝され、そこから人間関係も築かれていきました。しかも、そうした押収物の中から、日本の暴力団の犯罪情報(フカヒレの密漁など)や、盗難車の情報、通話記録なども手に入れることができるようになりました。最初のうちは、自分でメモをしていたのですが、しまいには「お前、資料コピーしといてやったぞ」と渡してくれるようになりました。

 押収物の仕分けのためなら、土日でも飛行機に乗って、通っていました。本当は家族と遊園地に行きたいのに、そこを我慢して、丸一日押収物とにらめっこをするという日々でした。
 
 自分の能力や労力すらも信頼を勝ち取るための手段として、活用できるのです。情報と同じで信頼獲得もギブアンドテイクが基本です。まずは、自分からギブすることを意識してください。