「入社数カ月で退職」した新人と、毎日辞めたかったのに残った新人…その差とは?新人は、先輩たちが思っている以上に、会社のことを分かっていない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

2023年に入社した新人の育て方についてお伝えしてきた本連載。最終回となる今回は、今年の新人たちに実際に起きた出来事を2つ紹介し、先輩や上司が彼らとどう関わっていくべきかについて考えてみましょう。正解は1つではありませんが、これから紹介する事例が何かのヒントになればと思います。(カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役・代表講師、産業カウンセラー 片桐あい)

2023年入社の新人が抱える環境と背景

 今年大学を卒業し、入社してきた新人たちは、大学に入学した1年目は通常の大学生活を送っていました。まさか1年後に予想もしないパンデミックが発生するとは思ってもいなかったはずです。しかし、彼らにとって幸運だったのは、大学1年生の間に同級生や先輩と人間関係を築く時間があったことです。その1年間の経験が、その後3年間がオンライン中心の生活になったとしても、就職活動や卒業に至るまでの必要なプロセスを乗り切る助けとなりました。

 新人たちは新しい方法を模索し、実現したいことをさまざまな手段で実現する力を持っています。しかし、その行動を起こすべきかどうかについては慎重です。3年間、さまざまなことを「やらなくてもいい」とされる正当な理由があった時期でした。

 そして、行動が制限された中での就職活動を経て、入社した時には新型コロナウイルスの警戒レベルが下がり、リモートワークからオフィス出勤への移行期間でもありました。

 抑圧された3年間の環境を取り戻すかのように、積極的にコミュニケーションをとろうとする人が多い一方で、他人との適切な距離感を見つけるのに苦労する人もいます。もともとの性格が内向的か外向的かによっても、反応は大きく異なるようです。