日本では「株=ギャンブル」という否定的なイメージを抱いている人が多いため、株は怖いから手を出してはいけないと思いがちです。自分の勤めている会社が株を買ってくれる投資家のおかげで成り立っているにもかかわらず、そう考えてしまうのは、株式投資の本質を理解していないからです。

  アメリカでは、投資の意味について正しく理解できるように、小学生のうちからトレーニングを行なっている学校があります。その学校では、授業中に子どもたち一人ひとりにアメリカの有名な会社が割り当てられるそうです。たとえば、A君はマイクロソフト、Bさんはウォルマートという具合です。

  そして、自分に割り当てられた会社がテレビや新聞のニュースで取り上げられると、なぜニュースに出たのか、その出来事は世の中にどんな影響を与えるのかを、クラスで発表したり話し合ったりするのです。

  これは、アメリカ経済を動かしているエンジンは企業であり、そのエンジンにガソリンを補給するのが投資家だということを、子どもの頃から学んでいる一例です。

投資のスタンスをきちんと自覚しよう

  日本ではよく「株をやる」という言葉を耳にしますが、本来これは「株式投資」のこと。アメリカでは株式投資の意味を多くの人々が理解しているため、「インベストメント」「トレーディング」「スペキュレーション」という3つの単語に分けて使われています。そのため、自分がどのスタンスで株式投資をしているかをよく自覚しています。

  一方、日本では「株をやる」と言いながら、実際には何をやっているのか本人もよくわかっていないことが多いようです。

  一般的に「インベスター」を名乗る投資家は、売ることを前提にしないで株を買います。株式投資を通じて会社の一部を所有し、会社とともに成長しようと考えています。これが、バフェットの投資法です。