なお、利便性に関しては「まずまず。今後に期待」としたい。出発地点と目的地のそれぞれ近くにポートがあれば、利便性は最高となる。今後ポートが増えるほど、利便性も単純計算で向上していくであろう。

調べてみて意外だった
規制緩和以降の事故件数

 規制緩和を目的とした昨年7月の法改正で、電動キックボード向けに新たに「特定小型原付」(正確には「特定小型原動機付自転車」)という区分が設けられた。

 この「特定小型原付」は、それまでの制限を一気に緩和して「16歳以上、免許不要、ヘルメット着用任意(努力義務)」といった新基準を導入した。そしてこれによって利用者の間口を大幅に広げることに成功するとともに、「現行ルールは危ない」という声が多く聞かれるようになった。

 警察庁のデータによると、法改正があった7月以降の半年で電動キックボードの交通違反検挙数は計7130件なのだが、月ごとに見ていくと如実に徐々に上がってきていて、7月が405件なのに対して12月は1879件となっていて、電動キックボードの普及がその増加の原因となったと見られている。

 なお、事故件数は7~12月で計85件、負傷者86人、死者数はゼロであった。

 世間で危険だ危険だと騒がれている電動キックボードだが、この数字だけ見れば少なくとも、交通事故の中で最も最悪となる死亡事故は、昨年7月から起きていない(過去にはあったが)。では、そんなに騒ぐことはないのではないか――。

 ということまで金融庁が考えたかはわからないが、1月19日の金融庁の審議会で電動キックボードの自賠責の保険料を4~10%引き下げることを決定した(発案および届け出は損害保険料率算出機構である)。