高配当&高成長!新NISAで狙う日本株#20Photo:Yuichiro Chino/gettyimages

業績も株価も好調なのが半導体関連株だが、直近5年で株価が数倍に上がった銘柄も多く、今から買うのは勇気が要るのも事実だろう。特集『高配当&高成長!新NISAで狙う日本株』(全20回)の最終回では、半導体株ブームに乗り遅れた個人投資家が今から買っても間に合うのか、トップアナリストを直撃した。半導体関連株は最低投資金額が高い銘柄が多いが、少額投資家が「半導体ブーム」に乗る手法についても紹介する。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

レーザーテック、東京エレクトロン…
半導体に長期ブーム到来か

 世界中の投資家が固唾をのんで見守っていた2月21日の米エヌビディアの決算は、11-1月の実績、2-4月の見通し共に事前予想を上回る数字となった。11-1月の売上高は前年同期比3.7倍、最終利益は8.7倍で、半導体ブームを裏付ける業績拡大が継続している。

 直近5年間、日米共に株式市場をけん引したテーマが「半導体」である。中でも半導体製造装置メーカーの株価は日経平均株価を大きく上回った(下図)。

 とはいえ、SCREENホールディングスの株価が直近3カ月で2倍以上になるなど、足元の株価には過熱感が漂う。もともと半導体は景気敏感セクターであり、業績も株価も上下に大きく振れやすい。すでに株価が何倍にもなっている銘柄への参戦をちゅうちょする個人投資家もいるはずだ。

 専門家が今後の半導体市況をけん引すると注目しているのが「生成AI」である。

 ChatGPTを含め、データを学習してさまざまなコンテンツを作成する生成AIには、大量の半導体が不可欠だからだ。生成AIを導入する企業は増えているが、2024年以降は企業のシステムに本格的に導入されていく。

 データセンターはもちろん、パソコンやスマートフォンにもAI半導体が導入される流れは不可逆的で「今回は5~6年続く長期ブームになる可能性がある」(楽天証券経済研究所の今中能夫チーフアナリスト)のだ。

 実際、米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は27年にAI半導体市場は4000億ドルに拡大すると予想している。また、生成AIによって使われる半導体も変わってきている。

「米国のマイクロソフトやグーグル、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、テスラも入ってきてお互いに生成AIの性能競争をやっている。学習に必要な時間が増えて、効率化以上に半導体の需要が伸びるということが共通認識になっている」(モルガン・スタンレーMUFG証券の和田木哲哉シニアアナリスト)

 果たして今から半導体関連株を買っても間に合うのか。次ページでは今回の半導体ブームの裏側を解説しつつ、AI半導体で伸びる企業はもちろん、「半導体相場」に乗り遅れた個人投資家へのアドバイスや、投資資金が少ない場合の半導体関連株への具体的な投資術までを解説する。