薬局で買った薬の合計が
1万2000円を超えると申告できる

 医療費控除は、1年間にかかった医療費を収入から差し引いて、課税所得を引き下げることで所得税が軽減される。セルフメディケーション税制も、この医療費控除と同じ仕組みで、市販薬の購入にかかった費用を収入から差し引くことで、税負担が軽減されるようになる。

 比較的新しい制度で、導入されたのは2017年分の確定申告からだ。当初は、2021年分までの特例措置としてスタートしたが、法改正されて、2026年分まで延長されることになっている。

 利用できるのは、1月1日~12月31日の1年間に、家族みんなが購入した市販薬の合計が1万2000円を超えた場合で、最高8万8000円を収入から控除できる。

 たとえば、1年間に購入した市販薬の合計が6万円なら、4万8000円がセルフメディケーション税制の控除額。申告によって取り戻せる還付金の目安は、所得税率が10%の人なら4800円、20%の人なら9600円だ。

 手続きすれば、市販薬の購入代金に見合った税金を取り戻せるが、利用するためには「国が決めた控除対象の市販薬を購入した」「健康増進のための一定の取組を行った」という、2つの要件をクリアする必要がある。

 セルフメディケーション税制の対象商品はどのような医薬品なのか。また、「健康増進のための一定の取組」とはどのようなものなのか。具体的に見ていこう。