「秋の総裁選挙を左右する最大のファクターは小池さんではないでしょうか」(自民党無派閥衆議院議員)

 現状では、現職の東京都知事である小池氏に総裁選挙への出馬資格はない。その小池氏は、6月20日告示、7月7日投開票の東京都知事選挙で3選を目指すかどうか明言していない。筆者が担当する在京ラジオ局の報道番組でインタビューした際も、「都政にまい進している」としか答えていない。

 その小池氏が国政に復帰を果たし、自民党衆議院議員に戻って総裁選挙に出馬するルートは、現状では以下の3つのケースに限定される。

(1)柿沢未途前衆議院議員の辞職に伴う、4月16日告示、同28日投開票の衆・東京15区(江東区)の補欠選挙に出馬する。

(2)東京都知事選挙告示日の前に衆議院解散・総選挙があれば、都知事選挙には出馬せず国政復帰を目指す。

(3)東京都知事選挙告示日の後に衆議院解散・総選挙があれば、ひとまず知事として3選を果たした後、辞職し、くら替え出馬して国政復帰を目指す。

「“小池”にはまって、さあ大変」の
再現はあるか?

 小池氏は、2023年12月、公職選挙法違反を受けた江東区長選挙で、自民党などと共に全面支援した候補を当選させている。1月の八王子市長選挙でも、自民党などが推薦した候補の応援に駆けつけ、当選に結びつけている。

 加えて、2016年の東京都知事選挙出馬以降、悪化していた自民党との関係修復は着実に進んでいる。自民党内では、二階俊博元幹事長が小池氏の後ろ盾的な存在となってきたが、近頃では、「江東区長選挙も八王子市長選挙も小池さんのおかげで勝てた」(前出の自民党無派閥衆議院議員)と感謝の声も聞かれるほどだ。

 上記のうち(1)に関しては時間的に厳しくなっているものの、自民党本部が自民党東京都連の候補者公募に異例の「待った」をかけたのを受け、「小池氏出馬もあり」との臆測が広がったままだ。これに関しては、3月28日の都議会閉会までがポイントになるだろう。