お客様とともにスマホで創る、auブランド体験

:3M戦略のさまざまな取り組みをやってきたことが浸透したタイミングで、昨年冬から開始したこのブランドキャンペーンは、従来とは大きく異なる革新的な取り組みを行いました。

【菅隆志(KDDI(株) 理事 コミュニケーション本部長)×小西圭介対談】<br />スマホの世界をもっと楽しくする<br />auが掲げる「あたらしい自由。」

 Full Control Tokyo編では、au 4G LTEのスマホで東京の街を自由自在にコントロールするという体験を、テレビCMとデジタル、そしてリアルな参加型イベントの三位一体のプロジェクトを実行しました。反響も大きく、オフィシャルサイトだけでも数百万を超えるアクセスがあり、海外でも話題になるなど、従来にない好意的な評判を生み出しました。

 まさに小西さんが書かれているように「形容詞のブランディング」から、お客様と一緒にブランド体験を創りあげていく「動詞のブランディング」を目指したものです。

小西:単なる携帯電話ではなく、世界をコントロールできるツールとしてのスマホの可能性を、アプリを通じたリアルな体験として提供したことも、驚きをもって受け止められました。

:4G LTEを訴求するにあたって、ネットワークの速さを声高にさけぶのは企業目線だと思いました。お客様にとってはそこで何ができるかが大事で、実現できる世界の楽しみを、新しい手法で提案しようと取り組みましたが、4G LTEの新しい世界をうまく伝えられたと思います。今後さらに新しい世界が展開していきますので、ご期待いただきたいですね。

小西:デジタル戦略やトリプルメディアの連携では、通信サービスだけあって非常に新しい試みをされていますね。お客様の関心が高いカテゴリであることもあり、反応や話題の波及効果も大きいと感じます。

:携帯電話は1億人以上が使うマス商品ですが、テレビなどのマスメディアも(モバイルとの)マルチスクリーン視聴を前提に、双方向のコミュニケーションを意識しています。リアルタイムにお客様の声や反応を見ることで、アクションの効果もリアルタイムにわかりますし、迅速にコミュニケーションを修正することもできます。

小西:SNSなどを活用した顧客参加型のコミュニケーションも、auは業界初が多く、早くから取り組んできていますね。フェイスブックやツイッター、ラインなどのコミュニティでも、お客様との継続的なコミュニケーションに取り組んでいる。しかもauの場合、必ずしもトップダウンではなく、顔の見える社員一人ひとりが、お客様と一緒に創っているブランドのような気がします。

:そうかもしれません。「人が中心」の通信サービスを実現していく上で、社員も一人ひとりがauブランドの価値を生み出し、体現していけるようなインナーブランディングが大事だと思っています。