片づけの黄金ルール「全出し」の方法、間違っていませんか?「一旦すべて出す」作業で結果的に一層大変になった経験がある人は必見!(写真はイメージです) Photo:PIXTA

エンタメとして楽しむ片づけと
我が家の片づけは別モノ

 モノを全部出す、いわゆる「全出し」は片づけの基本のキ。でも、知られているようで正しく理解されていないように思います。私は整理収納サポートを仕事にしているのですが、現場で依頼者に全出しを手伝ってもらうと、とにかくモノを全部出して収納を空っぽにしようとする。

「こんな出し方じゃ、その後の片づけが大変になってしまうのに…この方は今までどうやって片づけてきたのだろう…?」と感じることも多いです。

 あなたにも経験がありませんか…?「出したはいいけれど、モノの多さに圧倒されて不安になる→どこから始めていいかわからず、なんとなく目についたところから始める→床が埋まって片づけにくいうえ、やってもやっても作業が進んでいる気がしない→自信がなくなって(服より下着からやった方がいいのかもしれない…)などと迷い始める→あちこち中途半端に手をつけては放り出す→力尽きて時間切れになる」みたいなことが。

「全出し」は、キャパを超えた物量と向き合う作業なので、やり方を間違えると本当に大変です。正しく理解されていないのは、テレビの片づけ番組などメディアの影響も大きいでしょう。メディアはわかりやすさを重視するので、ビフォーはよりビフォーらしく、アフターはアフターらしいインパクトのある光景を伝えてきます。

 全出しも、集めたモノを1カ所に積み上げて「なんと、こんなにもたくさんの服が…!」などと紹介するのはお決まりのパターンですよね。あれは、あくまで片づけをエンタメとして楽しませるひとつの手法に過ぎず、あのイメージで個人の片づけを進めるのはちょっと危険です。

 ではどうやって「全出し」すればいいのか?出したモノをどう片づければ気持ちよく片づけを終えられるのか?

 今回は、全出しの誤解を解いて、片づけをやり遂げる方法を解説します。