「ママチャリの人」がSNSで大炎上!木下優樹菜さん騒動にも共通する“イジリ倒し”の背景写真はイメージです Photo:PIXTA

「SNSのおもちゃ」としていじり倒され拡散される女性

 先日、「ママチャリの人」がSNSのトレンドに上がった。

 原因は、あるドライブレコーダーの映像である。一方通行らしき道を走っている車のドライブレコーダー映像の脇から突然、ママチャリに乗った女性が入ってきて、道を逆走をしようとする。信号は青だが、車は慌てて急停止。すると、女性は「はあ?」というような怒りの表情で運転席に向かって何やらと文句を言う。やがてスマホを取り出してどこかに電話して、こちらにカメラを向けてパシャリーー。

 そんな動画がSNSにアップされるやいなや、「自分が悪いのに逆ギレしている」と瞬く間に拡散された。SNSユーザーの中には、住んでいる地域や本名を「特定」したとして、具体的な住所や個人名を拡散している人まであらわれる始末だ。ただ、ここまでは、電車のケンカやあおり運転の動画をアップする「さらし」が横行する時代、珍しい話ではない。今回、「ママチャリの人」が大バズりしたのには、別の理由がある。

 それは「動画がAIでイジり倒されている」ということだ。

 例えば、この女性がキレて文句を言っているシーンをAI技術を用いて、「恋のマイアヒ」を歌わせたり、女性の顔を入れ替えて、ノリノリでダンスを踊らせたりしているのだ。

 結果、「このママチャリの人、これくらいのことでさらされて気の毒だけど、おかしいからつい見ちゃう」という感じで「SNSリンチ」としてではなく、みんなでイジり倒す「おもしろ動画」として拡散されてしまっている。

 もちろん、子どものイジメなどに当てはまることだが、やっている側は「みんなで楽しくイジっている」というつもりでも、やられている側からすれば「死にたくなるような侮辱」ということが多い。この女性が自転車の危険運転をしていたとしても、動画で顔を勝手に加工されるなど「SNSのオモチャ」にされるいわれはない。肖像権侵害などで訴えられれば一発アウトの案件だ。

 さて、そこで気になるのは、なぜ「ママチャリの人」はこんなにもイジり倒されてしまったのかということだ。

 先ほども述べたように、SNSには悪質ドライバーや迷惑行為をしてさらされる人が多くいるが、ここまで大バズりするのはまれだ。彼らに比べて、「ママチャリの人」だけが突出して悪質というわけでもないのに、なぜこんなに集中砲火を浴びているのか。