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『ペコロスの母に会いに行く』で書ききれなかったこと
【第3回】 2013年4月11日
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岡野雄一

また来ん春
がんばった母に、大きな○を

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認知症の母とのエピソードを描いて12万部を超えるベストセラーとなっている『ペコロスの母に会いに行く』(西日本新聞)の著者が、
その後のことなどを綴る連載の最終回。

胃ろう手術を終えて退院した母を見つめる息子の複雑な思い、
そして、ささやかな願いを語ります。

母の頭に大きな〇が…

自費出版をきっかけに2012年7月、西日本新聞社から発売された本書は、今では12万部を超えるベストセラーとなっている。
「ペコロス」は、小玉ねぎを意味する著者、岡野氏の愛称。コミックエッセイとして描かれた40歳で故郷長崎にUターンした漫画家(62歳)と認知症の母(89歳)の、温かく笑えながらも、どこか切ない家族の物語。多くの人の共感を呼び、NHKでドキュメンタリー番組が放映されるなど、多数のメディアで取り上げられ、実写映画化も決定している。

 胃ろう造設の手術を無事終えて、母は退院しました。

 朝のうちに施設の人と病院で待ち合わせし、支払い等の手続きを済ませて母を車イスごと車に乗せました。

 桜の花が降りしきる街に走り出た車の後ろから付いて行きながら、退院という事は家に帰る事ではなく、施設に戻る事なんだと思い知りました。

 車の後ろのドア越しに母の白髪の後頭部が見えます。そして母の頭に何かが丸を描いてるように見えます。

 ?? 

 正体はトンビ。

 ドアの窓に映る青空に輪を描いて舞うトンビでした。

 郊外に抜けるトンネルに入るまで、母は丸を付けられていました。

 モチロン丸は息子の気持ちでもあります。

 ハゲ息子(笑)の判断で胃に穴を開けられた母ちゃん、息子の判断を静かに黙って受け入れる母ちゃん(モチロン文句を言う力が残っていれば胃ろうは必要ないのだけど)、

 ありがとう、ようがんばっとるよ。

 息子の、そんな気持ちでの、丸。

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