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派遣村騒動で「心の病」を持つ会社員の復職が続出

週刊ダイヤモンド編集部
2009年1月29日
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 今年初め、どのニュースを見ても連日報道されていた「年越し派遣村」。寒空の日比谷公園で年を越す派遣労働者の姿は、国民に今の厳しい雇用情勢を強く印象づけた。じつは、その余波が意外なところに及んでいる。

 精神障害に係る労災の支給決定件数が2007年に過去最高の268件を記録するなど、うつ病をはじめとする「心の病」を抱える会社員は増える一方だ。近年はあまりの患者の急増に、医師に加えて、産業界や国も相次いで対策を打ち出した。

 新人研修に「メンタルヘルス研修」を組み込む企業は珍しくない。もし、心の病にかかっても、医師や企業が連携しつつ慎重に職場に復帰するための「復職支援プログラム」を設けている企業も増えた。

 その結果、早い段階で従業員のメンタル面での異常を発見して治療できるなど、プラスの効果を生んでいる。

 一方で、心の病で休職することへの心理的ハードルが下がり、「復職しても大丈夫に見える軽度の人まで、『まだ無理です』と休職を続ける人が少なからずいた」(ある精神科医)のもまた事実である。正社員だから、簡単には解雇されないという意識も当然あっただろう。

 ところが、年始の年越し派遣村の報道を目の当たりにし、こうした軽度の患者の態度が一変した。「次は正社員である自分の雇用も危ない」と危機感を感じて、続々と職場に戻ろうと医師や企業に相談を始めているというのだ。皮肉なことに、どんなクスリより、派遣村が劇的な効果をあげたかたちとなった。

 もっとも、困った“副作用”もある。「本来治療が必要なのに、無理して復職しようとする人も増えている」(荻原国啓・ピースマインド社長)というのだ。

 景気の後退で、職場環境は以前にも増して厳しさを増す可能性が高い。そこに本来治療が必要な患者が無理して復帰することになれば、病状を悪化させる事態を招くリスクをはらんでいる。復職可能かどうかを判定する医師や企業には、慎重な対応が求められそうだ。

(『週刊ダイヤモンド編集部』 佐藤寛久)

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