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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

複数の解決案を作成することを不変の原則にする

上田惇生
【第86回】 2008年8月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
現代の経営
ダイヤモンド社刊
上下巻各1800円(税別)

 「あらゆる問題について、複数の解決案を作成することを不変の原則としなければならない。さもなければ間違った二者択一の罠にはまる」(『現代の経営』)

 赤か緑しかないと言えば、誰もがおかしく思う。しかし、あまりに多くの人が毎日のように、これとさして変わらない考えのもとに行動しているとドラッカーは言う。

 そこには、あらゆるものは赤か緑であるという考えと、あらゆるものは赤か非赤であるという考えとの混同がある。

 われわれは白か黒かと言うとき、両極端について言っただけにもかかわらず、あらゆる色について言ったつもりになる。もちろんあらゆるものが、白か黒であるわけではない。

 現状のままでいくか、改善案を採用するかだけでは、複数の解決案を用意したことにはならない。

 複数の解決案を考えることが、当然視されている前提に光を当て、調べ直すことを余儀なくさせる。

 複数の解決案を作成するだけで賢明になり、正しい決定を行なえるようになるわけではない。だがそれは、もし問題を徹底的に検討していたなら気づいたであろう誤りを防ぐ。

 しかもそれは、想像力を動員し、創造力を刺激する唯一の方法である。これが科学的方法なるものの神髄である。

 「いかに馴れ親しんだ現象についても、つねに別の説明を考えようとすることが、一流の科学者の証明である」(『現代の経営』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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