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怖くて肉まんが食べられない!
中国・豚の死骸漂流事件の内幕

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第124回】 2013年4月26日
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 上海市内を流れる黄浦江に大量に漂流した豚の死骸。中国民政部(日本の厚労省に相当)は3月12日に公式コメントを発表した。その内容は「養豚業者が火葬にする費用がないため河に流した」というものだった。

 だが、上海市民は納得してない。豚の死因をめぐってはその不可解さにいまだ憶測が飛び交っている。

 「凍死した豚を、上流の養豚農家が河に遺棄した」という説もある。死因を「気温のせい」にしたものだ。

 また、「実は過去10年にわたり、こうした“死豚の漂流”は日常的に散見されていた」というのもある。本当だろうか。少なくとも筆者にとっては初耳で、これまでそんな話は一度も聞いたことなどない。

 上海では今年3月初めから、この「漂流死骸豚」問題が大きな話題となり、メディアが伝える漂流死骸豚の頭数はどんどん増えた。3月15日は8354頭だったが、3月20日には1万頭を超えた。

 また、3月9日には「水は大丈夫なのか?」と指摘する報道が流れた。黄浦江には取水口がいくつかあり、上海の家庭の水道に直結するため、不安は拡大した。

“消費者の日”に、
なぜ突然のアップル叩き?

 ちょうどこのとき、中国では「世界消費者権利デー」を前に、“アップル・バッシング”が盛んに行われていた。中国で「国際消費者権益日」と呼ばれる3月15日、米アップル社製iPhoneの保証制度をめぐって、「アップル社の中国におけるサービスは、他の国に比べて低すぎる」という批判の声が高まっていた。

 これに対して同社は、「中国における保証制度は、米国や世界中の国々とほとんど同じだ」と主張していたものの、テレビ報道よる連日のアップル叩き、ネットメディアの批判記事の増殖、交流サイトでの書き込みなどに屈し、結局敗北を宣言することになった。4月1日、同社のティム・クックCEOは、中国ユーザーに対し、公式サイトで「コミュニケーション不足だった」とした謝罪文を掲載した。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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