東京ディズニーランドオープン時のチケット「ビッグ10」は、3700円。この設定はどこからうまれたのか?今に続くその「価格の決め方」は、とてもロジカル!そこには、入場者数の設定から価格づけまで担った著者にしか話せない秘密が…。知られざるディズニーのビジネスが垣間見れます。
「集客数目標1000万人」になった理由
そもそも、どうして入場者数の目標が1000万人になったのか。「キリが良いから」というあてずっぽうではなく、きちんとした理由があります。
東京ディズニーランドの建設費は、およそ1800億円。
この巨額の資金を調達するために、日本の大手銀行による協調融資が行われました。お金を借りるとなれば当然、お金を返す算段をしないといけません。
そこで出てきた計算式が、25年間、1000万人の入場者数、という数字だったのです。アメリカの入場者数などももちろん参考になったとは思いますが、基本的には調達した資金を返済するための試算の中で出てきたのが1000万人だったわけです。
「東京の人口に匹敵する1000万人などという途方もない数字を、いったいどうするのか?」
呆然とする私に、当時のカウンターパートで、アメリカのディズニーランドから来ていたマーケティングのプロフェッショナル、ノーム・エルダーはこう言ったのでした。
「きちんと魅力のあるものを作って、ディズニーらしさを出して、決められたフォーミュラ(公式)に従って情報を発信していけばいい。大事なことは、決して流行に左右されたりしないこと。そして、継続させるということだ」