nanapiの今後は、どうお考えですか。

古川 世界的に影響力がある、パワーのあるサイトにしたいと思っています。たとえばFacebookなんかもそうですよね。Facebookの出現によって、プライバシーの概念を覆してしまった部分もありますが、Facebookによって世界がどんどん変化したのは事実です。まさに、世界を変えてしまったサイトです。

 同じようなことは、nanapiでも可能だと思うんです。nanapiのようなハウツーサイトで優れたやり方が共有されると、一瞬で世界に広まり、どんどん進化していくことがあります。nanapiによって人類の進化のスピードが速まると面白いなと思っています

 でも、掲載記事何万本が目標で、それを実現する、という考え方よりも、一つの記事が増えるだけでちょっとずつ理想の状態に近づくという考え方をしていて、僕はその過程を楽しんでいる感じですね。

目的ではなく毎日のプロセスを楽しんでいくって、古川さんらしいお話ですね。

古川 「これをやりたいから、これができる仲間を探そう」というのは、すごく自分中心な考え方だと思います。それよりも、「みんなでやろう」というプロセスの楽しさを共有できる人を仲間にして、その仲間と何をやるかを考えた方がいいのではないでしょうか。特にインターネットの世界はどんどんトレンドが変わっていて、今やっていることも1年後には無くなっている可能性がある。そうなったときにまったく違う方向に舵を切るには、プロセスの楽しさが共有できる仲間がいないと厳しいと思います。

 その言葉、よくわかります。ビジョンをかっちりと決めすぎてしまうと、もっと面白いことがあっても方向転換しにくくなってしまうんですよね。

古川 世の中には目的を見つけようというメッセージがあふれていますが、ちょっと違うんじゃないかなという気がします。大学にはビジョンが決まっていないイベントサークルがありますが、そういったサークルが時代時代に応じてやることを変えて生き残っているのを見ると、そのあり方はけっこう正解なのかなって思って。

結局社長の役割は、環境づくりと仲間探し、そして批判の矢面に立つことの3つに集約されると思うんです。社長が矢面に立つから、仲間は心おきなくファンキーなことができる。最終的には、「古川さんはいらない」って言われるような組織をつくることが理想ですね(笑)

行きすぎた目的志向が成長を阻害する<br />――ベンチャーらしい組織と仲間のあり方とは?<br />【nanapi代表 古川健介<br />×ビズリーチ代表 南壮一郎】(後編)ネットサービスを運営する2人の「仲間」論は、大いに盛り上がりました。南さん、古川さん、ありがとうございました!

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