ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
小山昇「経営の見える化」

増収増益を実現する「見える化」の秘訣

小山 昇 [株式会社武蔵野 代表取締役社長]
【第1回】 2009年9月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 「武蔵野」では、経営方針も、部門ごとの利益も、人事評価も、社長のスケジュールも、すべてがオープンです。

 目的や成果を明確に「見える化」することで価値観の共有ができ、不公平感がなくなり、社員のやる気が高まります。「やる気」というより、「やらざるを得ない気持ち」といったほうが正しいかもしれません。

「見える化」と「見せる化」はどう違うか

 しかし、「すべてオープンにする」といっても、結果を表示しているだけでは「見える化」とはいえません。それは「見える化」ではなく、「見せる化」です。なぜなら、「見える化」とは、結果だけでなく、「結果に至るまでのプロセスが含まれているもの」だからです。

 たとえば、デジタルで数字を上書きしていくのは「見せる化」です。データが書き換えられてしまえば、数字の変化を読み取ることができません。一方で、手書きのグラフは、「見える化」です。数字を書き足していくので、数値の変化や経過がひと目でわかるからです。

 ではなぜ、プロセスを見せる必要があるのでしょうか? 

 それは、プロセスがわからなければ、次のアクションを起こせないからです。

 「見せる化」の最たるものが「信号」です。

 信号は、「青」のときはアクセルを踏みっぱなしです。そして、「黄色」になったらブレーキを踏みます。でも実はこれ、間違いです。会社経営に関していえば、「黄色」は、急いで渡るのが正解。「黄色」=「注意をしながら渡れ」なんです。経営サポート事業部の会員は約300社ありますが、そのうち15社が2008年度に過去最高益を上げました。もちろん倒産はゼロ。なぜなら、会社が危なくなったときに、アクセルを踏み込んだからです。

 では「赤」信号はどうでしょう? 「赤」は停止ですが、まんぜんと前の信号を眺めていてはいけません。目の前の信号が赤のときは、「横の信号」にも目を向けておくんです。

 そして「横の信号」が青から黄色に変わったら、ブレーキから足を離し、アクセルを踏む準備。まもなく目の前の信号が「青」に変わりますから、すばやいスタートが切れるように準備しておきます。

 会社の経営も、クルマの運転も同じです。

 世の中の出来事は、いきなり「青」から「赤」に変わるのではなく、その間に「黄色」があります。「黄色」というプロセスがあるからこそ、いち早く次のアクションを起こすことができる。プロセスが見えるからこそ、人は「やらなければならない」気持ちになるのです。

 この連載では、「武蔵野」が取り組んできた「見える化」の仕組みについて、4回にわたりご紹介していきます。「自分の会社のことがわかっていない」、「経営方針が決められない」、「社員の気持ちがわからない」、「数字が読めない」などにお悩みの企業の皆様にお役に立てることを願っています。

 では、早速具体的な「見える化」の仕組みをご紹介しましょう。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

小山 昇 [株式会社武蔵野 代表取締役社長]

日本で初めて、「日本経営品質賞」を二度受賞(2000年度、2010年年度)。「落ちこぼれ集団」を「12年連続増収増益」へ導く。指導500社中100社が「過去最高益」、「13年連続倒産企業ゼロ」を達成。2004年に開始した「1日30万円のかばん持ち」制度は、現在、約70人・1年半待ちの人気ぶり。年240回の講演・セミナーを開催。「今日から仕事に役立つ」と現場見学会参加者があとをたたない。著書に『強い会社の教科書』『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』(以上、ダイヤモンド社)、『増補改訂版 仕事ができる人の心得』(阪急コミュニケーションズ)など。
株式会社武蔵野


小山昇「経営の見える化」

9割の社長・幹部は自分の会社のことを何も知らない。だから会社がうまくいかなくなる―。「お金の流れ」「儲かっているかどうか」「現場で何が起きているか」など、会社の動きを見える化する方法を紹介。

「小山昇「経営の見える化」」

⇒バックナンバー一覧