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セクハラより多い“マタハラ”
職場の妊婦への無理解が
流産招き少子化解消を阻む

週刊ダイヤモンド編集部
2013年5月22日
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Photo by Ryosuke Shimizu

 「この2年間のことです。私の周囲で二人の女性が、流産、死産の経験をしてしまいました」

 東京都内のIT系企業で働く女性はそう明かす。2人とも、妊娠中も激務をこなしていたという。

 働く女性の流産、死産の背景には、“マタハラ”がある。

 セクハラならぬ、“マタハラ”という言葉をご存知だろうか。マタニティ・ハラスメントの略である。働く女性が妊娠・出産にあたって職場で受ける精神的・肉体的な嫌がらせ、いじめを意味する。実はマタハラの被害はかなり多い。

 「海外出張の最終日、腹部に激痛が走った。出血も止まっていない。手でお腹を押さえながら、ホテルに戻ってトイレに駆け込むと、血の塊がぽとっと落ちた」

 ジャーナリストの小林美希さんの著作『ルポ職場流産 雇用崩壊後の妊娠・出産・育児』(岩波書店)には、マタハラが原因で、あるいはマタハラをはねのけようとして、働く女性が職場や出張先などで流産を経験してしまった凄惨な事例がいくつも紹介されている。

 連合(日本労働組合総連合会)が2013年5月におこなった「マタニティ・ハラスメント(マタハラ)に関する意識調査」の結果は衝撃的だ。

 職場でマタハラをされた経験があるかという問いに対して、74.4%は「ない」と答えた。つまり、25.6%がマタハラを経験していて、これは連合が12年に行った調査での「セクハラされた経験」(17.0%)を大きく上回る。

 世間では広く認知されているセクハラよりも、マタハラの被害者のほうが割合が高いのである。調査の母集団も時期も異なるが、マタハラ経験者が少数派とは言えないことは確かだ。

 連合の調査では、妊娠経験者316人のうち9.5%が「妊娠中や産休明けなどに、心無い言葉を言われた」と答え、他にも「妊娠・出産がきっかけで、解雇や契約打切り、自主退職への誘導等をされた」(7.6%)、「妊娠を相談できる職場文化がなかった」(7.0%)、「妊娠中・産休明けなどに、残業や重労働などを強いられた」(4.7%)という回答が続く。

 さらに、厚生労働省によれば妊娠・出産などを理由とした解雇などの不利益な取り扱いを受けたという労働局への相談件数は、2004年度には875件だったが、2011年度には3429件に増えている。

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