出産・育児をしながら仕事を続けたい
バリ女を阻む「マタハラ」という現実

 出産・育児をしながら仕事を続けたい――。この連載で取り上げてきたバリバリ女子の多くは、おそらくこうした考えを持っているだろう。

 厚生労働省が発表した『人口動態統計月報年計(概数)』によると、2012年の合計特殊出生率は1.41で、前年より0.02ポイント上昇した。しかし、人口を維持するのに必要とされる2.07には遠く及ばず、出生数も前年比1万4000人減の103万7000人となっている。

 少子高齢化が進み、労働力人口が減れば、当然、現状の社会保障を支えることが難しくなってくる。そのためにも少子化を食い止めることが急務であり、また女性が出産、育児をしながらでも働きやすい環境の整備が求められる。

 安倍首相の成長戦略でも「女性の活躍」が強く打ち出され、一部から批判が出ているものの、新たな施策や目標設定を次々と提案しているのはご存知のとおりだ。しかし一方では、やはり女性が働き続けるのには厳しすぎる現状も浮き彫りになっている。

 その1つが、最近話題になっている「マタハラ」の問題だ。マタハラとはマタニティ・ハラスメントの略で、妊娠や出産を理由に職場で不当な扱いや嫌がらせなどを受けることを言う。

 連合が取りまとめた『マタニティ・ハラスメント(マタハラ)に関する意識調査』によると、マタハラの被害に遭った女性は25.6%もいることがわかっており、これはセクハラ被害者の17.0%を上回っている。

 同調査では、「職場で誰が女性の出産・妊娠に関して最も理解があると感じたか」という質問もあり、それによると「男性上司」と答えた女性は11.5%。「女性の同僚と部下」(31.0%)、「女性上司」(20.4%)よりも大幅に低い数字だ。