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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の44「論語」を読む。就活に活かす
採用面接を如何にクリアーするか?

江上 剛 [作家]
【第44回】 2013年6月25日
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 「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」という言葉がある。

 人は、その力量に応じた希望や夢を持つという意味だが、採用面接にも使える言葉だ。

 私は、銀行に勤務していた頃、人事部に5年在籍した。担当は、昇格、昇給、賞罰など人事部の中の人事部とよく言っていたが、いわば銀行員の出世を一手に握っており、最も権威、権力がある部署だった。

 だから思い通りに部下を昇格させられなかった(私が邪魔したと信じている)部店長などから「籠から出て来た時には、目に物見せてやるからな」と、憎しみの言葉を投げつけられたことが頻繁にあった。籠とは、人事部のことで、要するに人事部にいる間は手が出せないが、別の部署に移ったら、潰してやる、ということだ。

 「どうぞ、楽しみにしています」としか言いようがなかったが、憂鬱であったことは確かだ。

 採用担当ではなかったが、採用シーズンになると、採用面接は多くこなし、採用を決定したし、昇格などのための面接はもっと多くこなした。

 たった数分でその人のことが分かるものか、とののしられながらもその数分の面接で採用を決め、昇格を決めなくてはならないのだ。いったい人事部員である私は、何を見ていたのだろうか。

バイトはストリップの業界記者

 就職氷河期は依然として続いている。現在は、採用面接のシーズンだ。私のつたない経験を紹介しつつ、論語とともに考えてみよう。

 さて冒頭の「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」という言葉だ。これは採用面接を行っているときに実際に感じた感想だ。当時は、リクルーターという若手行員が採用候補者を挙げて来る。それを私は面接し、採用するか否かを決定する権限を与えられていた(当然、採用は、役員面接で最終決定だが、いわゆる内定を出す権限だ)。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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