政府・自民党がいよいよあわて始めている。日経平均株価は6月13日、843円もの急落を見せ、ドル円相場は94円台まで下落した。
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それ以前から、株価の下落が止まらないことに政府は危機感を強めつつあった。6月10~11日に開催された金融政策決定会合の前、麻生太郎財務相は黒田東彦・日本銀行総裁の元を訪れた。
「ETF(上場投資信託)を買い増してくれないか」
関係者によれば、黒田総裁は「検討します」と返答したという。
ところが、この会合でETF購入枠の増額はなかった。7月21日に参議院選挙を控える中、株価が下落し続ければ支持率も下がりかねないだけに、政府内にはピリピリした雰囲気が漂っていたようだ。
日本に興味失う海外勢
もっとも、6月13日の動きに限って見ると、必ずしも「日本政府の成長戦略に失望した」といった理由で、海外勢が日本株を売ったというわけではなさそうだ。
海外ヘッジファンド勢は第1、第2の矢という、いわば彼らにとっての“おもちゃ”で十分遊び、円安でも相当もうけた。もちろん当初は、「第3の矢(成長戦略)も楽しませてくれそうだ」(ヘッジファンド関係者)と期待してはいたものの、ここにきて真新しいメニューも出てこず、「あんまり楽しめそうにない」(同)と一時的に興味を失いつつある。
実際、海外ヘッジファンドとのカンファレンスコールを控えていた東京の金融関係者は、突如キャンセルが入ったと明かす。むしろ今は新興国を注視している状況で、日本どころではないのである。
その引き金は5月末、FRB(米連邦準備制度理事会)のQE3(量的緩和第3弾)縮小観測だった。これにより、足元のところ新興国が不安定化しているのだ。