「三角ぼめ」をすることで、
信憑性が格段にアップ!

 私が直接「Y先生、今日の講演はすごくよかったです!」とほめるよりも、

「聴講者さんが『先生のお話はすごくわかりやすい』とおっしゃっていましたよ」
「講演を主催された○○さんが、『Y先生にお願いしてよかった』と喜んでいましたよ」

と、「第三者」を介してほめたほうが、ほめの効果が数倍アップします。

「まわりの人がそう言っていた」と伝えるほうが信憑性が増す、つまり、「お世辞じゃないほめ言葉」になるからです(心理学では、ほめ言葉によって学習や仕事への意欲を高めることを「強化」といい、第三者を介した場合を「間接強化」といいます)。

 私自身も「三角ぼめ」の効果を体感することがあります。

 たとえば、研修会社の部長から「そういえば、けさの朝礼で、営業担当のMが『松澤先生の研修はすごく評判がいい』と発表していたよ」と「三角ぼめ」をされたときは、「Mさんのためにも、もっとがんばろう!」と思わずにはいられませんでした。

 Mさんから直接ほめられても、もちろん嬉しい。でももしかしたら、Mさんが私を喜ばせるために、お世辞や社交辞令を言った可能性を、どうしても考えてしまいます。

 一方で、「私のいないところでほめてくれた」場合は、「本当にほめてくれている」と思うことができるので、信憑性が高い。だから、人は素直に喜べるのです。