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個人金融資産の6割を占める
高齢者のカネが狙われている!

週刊ダイヤモンド編集部
【13/07/13号】 2013年7月8日
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老後のカネにトラブル急増

 「NISAっていう、なんだか税金がいらなくなるサービスが始まるんだって!」。

 首都圏に住む岡村裕子さん(仮名)は5月、興奮気味に電話してきた実家の母親を「必要ないんじゃない?」とやんわり説き伏せた。そして案内を郵送してきたという証券会社に舌打ちした。

 「NISA(ニーサ)」とは2014年1月から導入される少額投資非課税制度のことだ。この制度の専用口座を開設すると、口座内で投資した年間100万円までの上場株式や株式投資信託の配当金や分配金、売却益が非課税になる。金融機関は目下、NISA口座の争奪戦を繰り広げている。

 80歳を過ぎた母親は、これまでにもいろいろな金融商品に手を出してきた。その明細を見ると証券会社の手数料稼ぎで買わされたものが多く、損をさせられており、ようやくほとんどを手放してもらったところだ。

 母親の記憶には損した経験よりも、売り抜けてわずかでも益を得られた成功体験のほうが強く残っている。NISAの口座を開設すれば、再び投資熱に火がついてしまいかねない。

 幾度となく「これ以上増やさなくても十分お金はあるから」と繰り返し説得してきたが、母親は自分のためだけでなく、娘たちに遺産を残してやりたいという思いがあるのだろう。「もうかる」という言葉にすぐ反応してしまう。

 実は、これまで詐欺に何件か引っかかっている。「馬券投資」なるうたい文句で競馬の馬券情報を提供して会員の資産を増やすという業者には、100万円近く振り込んでしまった。馬券投資で資産がつくれるはずもなく、支払った金は藻くずと消えた。

 詐欺業者のあいだで流れる「カモリスト」に母親の名前が載ってしまったようで、海外宝くじをはじめ、金をだまし取る類いの郵便物はひっきりなしに送られてくる。電話勧誘や訪問販売も絶えることがない。

 岡村さんは周囲の高齢者やその家族からも、勧誘攻勢で食い物にされた経験談を耳にしている。こうした状況は自分の母親だけに起こっているわけではなかった。

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