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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

国家が国際連携し最後まで独占する国防とテロ対策

上田惇生
【第32回】 2008年1月24日
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新しい現実
ダイヤモンド社刊 1700円(税別)

 「政府は、兵器とその使用に対する独占的な地位を急速に失いつつある」(『新しい現実』)

 ドラッカーは、早くも1980年代より、テロの脅威を繰り返し警告してきた。

 400年前の近代国家成立から始まり、陸軍、海軍、空軍の創設、さらには、国家と政治の中心概念としての国防の概念への成立と続いてきた道も、行き止まりに来てしまったという。

 実際、小荷物として郵送され、リモコンで爆発する細菌兵器、化学兵器への対処策はあるだろうか。

 国家独占として巨大化と精緻化に励んできた軍事力が、新たに出現したテロという最大の敵に対処できないでいる。あるいはテロリストが復権させた私兵に対処できないでいる。

 私兵が跋扈する社会は、安全とはほど遠い弱肉強食の世界である。国家間の戦争として戦い、勝利を収めても、そのあとがテロとの戦いになったのでは勝利とはいえない。

 中央集権化で、国家はあらゆる社会的機能を手に入れてきた。今は肥満体となった国家が、「小さな政府」として、不得手な活動を民間などの組織に委ね始めたところである。

 しかし国家には、最後まで独占してもらうべき領域がある。それが国防であり、テロ対策である。そして、そのための国際連携である。

 「テロに対しては、伝統的な意味における国防は、無効である。個々の政府の対策では、テロを抑えることも、駆逐することも不可能である」(『新しい現実』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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